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土と木と便り


2023年5月号


5月になり、こちらはようやく桜が咲き始めました。家の敷地内ではエゾエンゴサクやリュウキンカ、ムスカリ、水仙が色鮮やかに咲いています。時々畑にやってくるエゾユキウサギやキツネの冬毛も夏毛に生え変わっている途中で「あぁ長い冬が終わったな」と感じました。

さて、改めての紹介となりますが、土と木との浅煎り、中深煎り、深煎りは東ティモール産の生豆を焙煎したものです。

『浅煎り』は酸味を控えめに焼き上げコクが感じられる珈琲です。『中深煎り』は程よい苦みがあり誰が淹れてもクリーンで均一性のある珈琲らしい珈琲の味を楽しめます。『深煎り』はスモーキーな香ばしさと奥行きのある苦みがありそのまま飲んでもカフェオレやアイスコーヒーにしても楽しめます。

珈琲にハマって自宅の台所で焙煎を始めたころ、最初は色んな生産国の生豆を取り寄せては様々な焙煎度合いを試していました。どの国の豆もとても美味しいものなのですが、コーヒーの風味は基本的にコーヒーの木に付いた赤い実から豆を取り出す精製という工程によって決まっていくものですが、現代ではほとんどの生豆が「ウォッシュド」(収穫した実を水洗いして生豆を取り出す方法)という精製過程を経たものなので、生産国や銘柄ごとに細かな違いはあるものの、それほど風味に大きな違いがないものだということを実感しました。

しかし、どんな生豆でも焙煎度合いの強弱こそがその珈琲の基本的な味の位置付け(苦味、酸味、甘み、コクのバランス)を決めいていくものだとも感じました。それらの実感がやがてたった一種類の生豆でも、煎り加減を変えるだけで何通りもの珈琲が楽しめるというとてもシンプルな結論へとたどり着きました。それとは別に、生豆の種類を少なくすることで廃棄ロスやフードマイレージを減らしていくことにも繋がってきます。

自家焙煎の珈琲豆屋を始めようと意識し始めた頃から、手回し焙煎の小さな小さな豆屋にしたいと考えていました。豆の種類も極力少なくシンプルに、だけど買いに来てくれた人がちゃんと楽しめるそういう形の豆屋とは…そう考えていたら、必然的に今のような形になりました。

土と木とでは定番4種類のうち浅煎り・中深煎り・深煎りの3種類は東ティモール産の生豆を使っていますが、これほど生豆の種類の少ない珈琲豆屋はかなり稀な存在かもしれません。しかし、珈琲文化の歴史の長い欧州に目を向けてみると生豆は単一銘柄のみで、焙煎度合いを変え販売する珈琲豆屋も少なくないのだそうです。

同じ生豆でも煎り加減で味の違いを楽しめる珈琲。そんな単純で奥深い面白さを皆さまにもお伝えしたいお届けしたいという気持ちで、土と木とはこれからもシンプルなスタイルの珈琲豆屋でありたいと思っています。