・オンラインストア
・珈琲豆の定期便
・土と木ととは
・お店について
・原材料など
・インスタグラム
・お問合わせ
・珈琲を淹れよう
・冷珈琲を淹れよう
・土と木と便り
土と木と便り


2023年6月号


新緑が深まる爽やかな季節。車を走らせていると山々の緑のグラデーションが風に揺れたり、雨にぬれた緑色の葉が濃く見えたり、目にも気持ちにも優しい世界が広がる北海道のこの季節はとても気持ちがいいです。

さて、今私たちがやっている自宅兼店のリノベ作業は、和室や居間、台所と、少しずつゆっくり進んでいます。それ以外にも、週に数回は珈琲の焙煎をしたり、畑で農作業や大きな木々の剪定、庭に花を植えたりもしています(これからの季節は草刈りも大仕事)。

私たちにとっての「土と木と」は、お店や珈琲だけが「土と木と」ではありません。この場所の全てが「土と木と」であって、ここで暮らしていること自体が「土と木と」なのです。

畑を耕して野菜を作ることも、庭に植物を植えて蝶や蜂が来ることも、自家大豆を潰して味噌を仕込むことも、とても大事なことだったりします。

近代的な発展を遂げた現代社会は人間がとにかく楽に生きていけるように、様々な技術を駆使して随分と便利な暮らしを送れるようになったものですが、その一方で生産性とコストパフォーマンス、何よりも経済的な利益こそが重視され、それゆえに人としてのあるべき姿や文化的な暮らし、そこから生み出される豊かさを見失いつつあるものだと感じています。

そんな今だからこそ、私たちはこの場所で「土と木と」を始めました。それはいわゆる自給自足生活と言えるほどのものではありませんが、自分たちでも出来ること、この場所で生きていくために事足りる程度のことをしながら、毎日暮らしています。

季節に沿って生きていくことは思いのほか忙しいものですが、春夏秋冬それぞれに見える景色や光、空気感、そういったものを毎年見て感じることが出来るように、この場所を耕しながらこれからも「土と木と」という暮らしを楽しんでいきたいと思います。そして、珈琲豆にもそんな私たちの思いを込めて、これからも変わらず手作りの焙煎小屋から手回しで焙煎し、皆様へお届けいたします。