土と木と便り
2025年8月号
北海道もこれまでにない暑い日が続いていました。雨もあまり降らないので、畑の野菜や庭の植物の水やりにも追われていましたが、そんな中でも夏の土と木とガーデンはなかなか美しい景色が広がっています。紫陽花、エキナセア、カライトソウ、百合、クガイソウなど。暑い日差しのなか、宿根草の花々の旺盛な生命力に見惚れてしまいます。
5年前、この場所に住み始めたころの庭は荒れ放題でした。様々な雑草が生い茂り、風通しも悪く、光が差し込まないので小さなキノコなどもたくさん生えていて、野生化したハルニレや松、イチイなどの太い木は店主がチェーンソーで切り倒し、ひたすら雑草を刈りました。
そして、ようやく見えてきた土を耕して庭づくりのスタート。バタフライガーデンを目指して庭の全体を何度も眺め、頭の中で植物の大きさやバランスをイメージし、咲く季節を考え毎年少しずつ北海道でも育つ宿根草を植え続けました。うまく育たなかったり次の年には枯れてしまう植物も時々ありますが、様子を見たり手をかけたりを繰り返しながら広がっていく庭に、今年も蜂や蝶がたくさん飛んできてくれます。ただキレイなだけじゃない、虫たちと共存する庭をこれからも目指していきたいと思っています。
そして、農作業や庭仕事の合間にはやはり珈琲ブレイクが欠かせません。青空の下で折りたたみイスとテーブルを広げて珈琲をいただくときはそれだけでも何だか贅沢で特別な気分を味わえます。
また、お店の営業時間中は店内の窓に広がる土と木とガーデンを眺めながら、お客様と植物や野菜の話をすることも私たちの楽しみの一つでもあり、いつも楽しく豊かな気持ちにさせていただいています。
土や植物に触れながら珈琲時間を楽しむこと…私たちがお店を開業するずっと前から目指してきた暮らしのあり方を元々思い描いていた以上の形で実現できたことは何よりも嬉しくありがたいことです。誰もが何かとせわしない空気についつい流されてしまいそうなこの時代ですが、皆様もどうかゆったり、のんびり、そんな珈琲ブレイクのひと時をお過ごしくださいませ。