土と木と便り
2025年12月号
早いもので、お店を始めてからもう4年の月日が経ちました。自分たちのチカラで出来ること、手の届く範囲のことだけをやっていこうと思って始めたこのお店は私たちの暮らしそのものであり、淡々と同じことを続けながらその中で質を深めていくことを何よりも楽しみ、近頃ではそれを続けていくこと自体が幸せなのだとつくづく感じています。この場所で四季の流れに合わせて日々を重ねていくからこそ得られるものに感謝しながら、これからもこの暮らしと仕事を邁進していきたいものです。
2025年を振り返ってみると、コーヒー生豆の価格高騰や夏に猛暑日が続いたことなど、お店を運営していく上でのマイナス要因は重なりましたが、それでも珈琲豆の定期便やオンラインストアをご利用の皆様にはいつもと変わらず、当店の珈琲を暮らしの中で楽しんでいただきました。また、実店舗にも受験生のお子様がいる方が「いつもこの珈琲でひと息ついています」と言って珈琲豆を買いに来てくださったり、体調を崩されていた方がまた珈琲を飲みに来てくださったり、忙しい日々の合間にホッと一息つきに訪れていただきました。このように、様々な形で当店を楽しんでくださる皆様に変わらずに支えていただいたお陰で、今年も無事に一年を終えることが出来そうです。本当にありがとうございました。
そして、当店の珈琲豆を販売してくださるお店が増えたことや珈琲豆と焼菓子のコラボ販売、店内での企画展など、お店として新しい可能性を少し広げることが出来ました。これからも「手の届く範囲」で出来ることだけをやり、無理なく自然体で土と木とを続けていきたいと思っています。
現代社会に目を向けてみると、まるで何かに追い立てられているかのように経済的な繁栄や物質的な豊かさを求めて、急激な拡大や極端な変化こそが望まれている風潮がありますが、客観的に見ればそれによって人々の心が疲弊し、社会や自然環境が荒廃していると言っても過言ではありません。
どれほど時代が変わって人々の生活様式が変容しようとも、時の流れが変わることなどなく、大地や海や空が広くなるわけでもなく、私たちは寿命せいぜい100年足らずのちっぽけな生き物から進化することなどあり得ません。だからこそ、背伸びをしてまで追い求める無理のある理想よりも、自然の流れに身を任せてその中で豊かさを感じられるようになっていく方が、私たちの心にも身体にもフィットするより良いあり方なのだと思っています。
今年もこのような拙い文章を書き連ねてきましたが、それでも毎月のようにお付き合いいただきありがとうございました。来年も皆様の暮らしに寄り添える珈琲をお届けいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。